第38章 ★ 散歩 * 夢主視点 ★ ① ★
「乙女の秘密です♡」
私は人差し指を口元に持って行ってウインクした
私が
《忍者でこの世界の人間じゃないから不思議な力を使える》
って事を話すと思ったのか
ローが呆気に取られた顔をした
ジンベエさんは一瞬目を見開いて笑った
ジンベエ)「はっはっはっ。そうかそうか。それはすまんかったな」
「こちらこそすみません。乙女は秘密が多くって。知ってますか?女は秘密を着飾って美しくなるんですよ?」
ロー)「…」
ローの視線が痛い
そんな顔でこっち見ないで
ジンベエさんはローに視線を向けた
ジンベエ)「確かに退屈はせんな」
ローはまた帽子を深く被って答えなかった
「退屈?退屈なんですか?」
ジンベエ)「…今は退屈ではないが…この怪我で動けんからある意味退屈かも知らんな」
ロー)「動くなよ。動いて傷口が開いたら死ぬぞ」
「あら、それは大変だ。動かず退屈しのぎしなくては!」
ジンベエ)「…今は退屈しとらんよ。色々考える事が多いからのう」
「そうですか?退屈なら言ってください。退屈は人を殺しますから、話し相手ぐらいなら出来ますよ!」
「「…」」
2人が凄い顔で見てきた
「ん?なに?どうかしましたか?」
ロー)「…いや…」
ジンベエ)「…話し相手はまた今度頼むとしよう。お前さんさっきこの島に降りてなんも出来んかったじゃろ?」
「あ、そうです!散歩行ってきます!ではまたジンベエさん!楽しかったです!」
ジンベエ)「いや、ワシの方こそ楽しかった」
私はジンベエさんに手を振ってローの手を引いて歩き出した
☆☆☆
《 退屈は人を殺す 》
これ結構好きな言葉
☆☆☆