第35章 ☆ 観戦・帰還 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
アヤはゆっくり体を起こした
「手当てしてくれたんだ。ありがとう」
自分の体を確認して俺に顔を向けて笑顔で言った
ロー)「お前。シャワー室で倒れてたんだぞ」
「あら、それは申し訳ない。服まで着せてくれたの?ありがとう」
ロー)「…報酬は貰うぞ」
俺がそう言えばアヤは目を丸くした後「ふふっ。楽しみにしてて」と笑ったいた
そして自分の右手を見つめ握ったり開いたりしていた
「思ったより消耗が激しかったけど…思ったより戦えたな」
ロー)「…本当に怪我しなかったんだな」
「まぁね。接近戦なら負けたくなかったんだけど、あっちの世界では最後に負けちゃったから悔しかったんだよね。今回は時間稼ぎみたいなもんだったし。相手も様子見で本気じゃなかったし…あのまま続けてたらちょっと危なかったかもねー」
ロー)「…確かに。映像を見ていたが凄かったな」
「でしょ?でもまだまだだ。まーこの怪我で思ったより戦えたから良かった」
アヤはそう言って笑った後「どうだった?忍術」と、ニヤニヤした顔で俺を見てきた
ロー)「…かっこよかった」
素直に言えばアヤは目を丸くして俺を見てきた
ロー)「どうした?」
「いや…そんな素直に答えられるなんて…なんか恥ずかしいな」
アヤは視線を泳がせた
ロー)「…アヤ」
俺はアヤの頬に手を伸ばして触れた
「…ん?」
アヤは俺を見つめてた
ロー)「無事で良かった」