第29章 ☆ 告白 * ロー視点 ☆ ① ☆
ロー)「…」
ことが終わり疲れたのか気を失ったように眠るアヤ
俺は体を起こしてアヤの顔を眺めていた
体中に咲いた紅い花
首元や耳を甘噛みすればアヤはよく啼いた
ロー)「はぁ」
「怪我が治ったら」と自分で言っておきながら…
我ながら我慢できなかった事が悔やまれる
初めてなのに無理をさせてしまったか
俺はアヤの前髪に触れ顔にかかった髪を払った
…俺の隣は寒くない…か
アヤは安心したように眠っていた
アヤから聞いたアヤの過去
それは想像していた物とは違ったが想像より壮絶だった
人攫いに拷問まがいな事、か…
そりゃ、あそこで暴れたくなるよな
それを助けた男
はたけカカシ、だったか
アヤの口から出てきた男の名に思う所はあったがアヤを助け世話をしたのなら
恋心ではなく家族愛に近いのかもな
夢でお別れを言えたと言っていた
幸せになれよ、か…
してやるよ
もう離さねぇから
俺はアヤの横に寝転がりアヤの頭を持ち上げて腕を下に回した
「…んっ…」
アヤが少し目を開けた
ロー)「…起こしたか?」
「…ろ、ぉ?」
アヤは瞬きして俺を見た
ロー)「まだ夜中だ。寝とけ」
「…どこにも、行かない?」
アヤが手を伸ばし俺の頬に触れた
ロー)「…ここにいる。だから安心して寝ろ」
俺は頬に触れているアヤの手に自分の手を絡めた
「…ん…」
アヤは嬉しそうに目を細め微笑んで
眠気に負けたのかそのまま目を閉じて寝た
俺もアヤに誘われるように目を閉じた