第28章 ★ 過去 * 夢主視点 ★ ① ★
私の体がまた震え出した
涙は出なかったけど
ローは私を安心させるように「ゆっくりでいい」と声をかけてくれた
私は少し落ち着いてゆっくり息を吐いた
「…私はリンを殺したカカシが許せなくて、でもそれ以上に自分が許せなくて…また寒くなって…カカシが壊れていくように見えて、ほっとけなかったの…寒いまま彼が暗部に入ったって聞いたから私も火影様に頼んで暗部に入った…これ以上皆に死んで欲しくなかったし…傷ついて欲しくなかったから」
ロー)「…」
「次は私がカカシを助けようと思ったんだ…彼が私と同じように寒そうに見えたから…でも私はそばにいるしか出来なくて、彼を残して死んじゃった…私、任務が終わって里に戻ったら彼の会う約束してたのに守れなかったの」
ロー)「…」
「…彼の誕生日に私は死んだ…でもね、そんな彼がさっき夢に出てきたの」
ロー)「夢?」
「うん。とても長くて短い夢。いつも見てるやつとは違った…彼、笑ってた。そっちで元気に生きてさえいればいいって、元気にやれよって…幸せになれよって言ってくれた。彼が笑ってた事に私は嬉しかった。彼が寒そうじゃなくて良かった…夢でもちゃんとお別れできて良かった」