第19章 ☆ 仲間の言葉 * ロー視点 ☆ ① ☆
アヤは両手で俺の右腕の服を掴んで震えてる
ロー)「…」
「…暗部では、死や裏切りが必要な任務だってあった。私、皆が思ってるような、人間じゃないよ」
ロー)「…」
「戻ってこいなんて、守るなんて、ましてや…好きだなんて…言われる事ないと…思ってたのに…夢みたいなんだ」
ロー)「…」
右肩が湿り出した
「どうしていいか分からない…私、ここの人達を好きになるのが怖いの」
俺は左手でアヤの頭を撫でた
「…ま"って。今そんな事されたら、余計に泣くから」
さっきよりも泣き声になった
ロー)「泣けばいい。海賊は自由だ」
「…自由?」
ロー)「あぁ。お前は海賊になったんだ。ハートの海賊にな。海賊は自由だ。お前の好きにすればいい」
「…私の?」
ロー)「お前が何に縛られてるのか知らねぇが…この世界でのお前は新しく生まれ変わるんだ。自由に生きればいい」
アヤは顔を上げた
ロー)「…ふっ…ブサイクめ」
「殺すぞ」
俺はアヤの泣き顔を見て笑った
低い声で物騒な事を言われた
アヤは泣き顔で俺を睨んで腕を叩いた
そしてまた肩に顔を押し付けた
「…出来るかな?」
ロー)「は?」
「私、自由になんて…今まで任務しかしてこなかったから…今更自由が分からない」
ロー)「…なら任務をやるよ」
アヤは顔を上げて俺を見た