第17章 ☆ 手合わせ * ロー視点 ☆ ④ ☆
俺は黙って片付けを再開し
アヤはベットの上に座りながら見ていた
「⋯ねぇ」
ロー)「なんだ?」
「手伝った方がいい?」
ロー)「は?」
そんな事を言われると思わなくて
思わず片付けを止めてアヤに視線を向けた
「私を治療した道具でしょ?私も片付けた方がいいのかなと」
なんでそうなる?
ロー)「いやいい。俺が怪我させた様な物だからな」
「…そっか」
ロー)「どうした?」
「⋯⋯」
ロー)「なんか言いたい事あるのか?」
アヤは黙って顔を下に向けてた
ロー)「何もないなら黙ってろ。すぐ終わる」
片付けを再開しながらそう言えば
アヤはゆっくり口を開いた
「…怪我の事」
ロー)「?」
話し出したアヤに体を向ければアヤはまだ下を向いていた
「最初に会った時の怪我の事、聞かないのかなって…」
ロー)「聞けば答えるのか?」
俺がそう聞けばアヤは顔を上げた
少し眉を下げて困ったような顔をしていた
「…初めは警戒してたんだよ。これでも⋯それに甲板で話した通り何も言わずに別れようと思ってたから、聞かれても適当にあしらってたと思うけど…私負けたし、これからはこの世界で生きて行くなら…話せる事は話そうと思って…まぁ聞くタイミングが無かったって言うのもあるか…ごめん、なんでもない」
アヤはそう言ってまた視線を下に向けた
ロー)「荷物の説明もまだだしな。それも含めアイツらにも話してやれ」
アヤは顔を上げて俺に目を向けた
ロー)「後、この世界で生きて行くと言うより、この船で生きて行くんだ。降りる事は許さない」
アヤは目を見開いていた
「…この船、で?」
ロー)「あぁ。降りる事は許さない」
「…ならアヤと言う忍はこの船に忠誠を誓いますよ」
アヤは安心した様に小さく笑った
忍の忠誠か
ロー)「…もうすぐ終わる。そこで待ってろ」
そう言えばアヤは嬉しそうな声で返事してきた
「はーい」
俺達はそれから話す事無く片付けを終わらし食堂に向かった