第17章 ☆ 手合わせ * ロー視点 ☆ ④ ☆
包帯を巻き終わりアヤが辺りを見渡し出した
俺はアヤに声をかけた
ロー)「お前は拷問を受けた事があると言っていたな」
「ん?」
アヤはこちらに顔を向け首を傾げた
ロー)「ベッドで寝る前に話してただろ?忍者の事」
そう言うとアヤは少し暗い顔になった
「…忘れてよ。あんな話」
ロー)「忘れる訳ねぇだろ」
「覚えててもいい事ないよ?」
ロー)「それは俺が決める」
「そう。…物好きね」
アヤは暗い顔して顔を逸らした
そう言った声は寂しそうだった
ロー)「…拷問を受けたことがあるにしては綺麗な体だな」
俺の言葉にか
アヤは目を見開いて俺を見た
変な事言ったのか?
ロー)「どうした?」
「…今までそんな事、言われた事なかったから」
アヤの視線が外れる
「そんな事、言ってくれる人もいなかったし…なんか、恥ずかしい」
こいつ、耳が紅い
俺はふっと頬が緩んで
アヤを揶揄いたくなって後ろから抱きしめた
「ふぇ!」
アヤが変な声を出し体が少し跳ねた
俺は予想通りの反応に笑いそうになった
そしてちょうどいい所にあるアヤの頭に顎を乗せた
ロー)「これから」
「ふぇ?!」
ロー)「これから寝る時は俺の部屋のベッドを使え」
「え?!」
ロー)「返事」
「ぇ…はい」
ロー)「いい子だ」
ベッドを使うように言えば戸惑いながらも返事をした
俺はその返事を聞いて体を離しアヤの頭を撫でた