第94章 ☆ タトゥー ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
ロー)「…嫌だったか?」
「…嫌って言うか…なんて言うか」
ロー)「お前のご褒美のつもりで連れて来たんだがな」
「え?そうなの?」
ロー)「誰にも邪魔されないし気にしなくていい…ここなら俺を独り占め出来るぞ」
「…おぉ…」
ロー)「嫌か?」
「気に入った」
機嫌が治ったのかアヤは俺の足の上に頭を乗せてきて笑っていた
頭を撫でればもっと頬を緩めてその顔がおかしくて俺も笑えた
「今日でタトゥーは終わり?」
ロー)「お前全然聞いてなかったのか?今日は左手と右肩だけだ」
「あぁ…それでこの包帯?残りは明日?」
ロー)「あぁ。明日また行く」
「ならそれまで2人なんだね」
ロー)「…嫌ならベポ達も呼ぶか?」
「…」
ロー)「冗談だ…そんな顔するな」
「…ふーんだ」
冗談で言えばアヤがむくれて…
予想通りの反応に笑えばアヤがいじけた
アヤは猫みたいだった
ずっと俺から離れず
まぁ基本的には部屋にいる時もこんな感じだった
さっきまで寝ていたので眠くないのだろう
ホテルで飯を食べて話をしながら風呂に入りベッドの上でもアヤのテンションは変わらなかった
ロー)「ずっと笑ってるんだな」
「そりゃ嬉しいもん」
ロー)「そんなに喜んで貰えるとはな…」
「皆といるのも好きだけど…今はローを独り占め出来る事の方が勝ってる」
ロー)「なんだよそれ」
「いいの!なんでもいいの!ローといれれば…それで」
ロー)「…そうか」
ベッドに面した壁に背を預けながら座っていれば
アヤが腕の中に来て
俺の心音を聞くかのような体を預けてきた
「ローがいれば…私は世界のどこでも幸せだよ」
目を閉じ小さく笑いながら呟く様に言われた