第90章 ☆ 次の旅路 ☆ ロー視点 ☆ ① ☆
アヤは猫の言葉に顔を俯かせ言葉を失っていた
猫は優しい笑みでアヤを見ていた
俺が前に感じた母親みたいな顔ってのは間違ってなかった
まさかアヤの母親の口寄せとはな…
ロー)「…アヤ」
「…」
ロー)「お前が選べ」
「…」
ロー)「お前の自由だ…お前が決めろ」
「…ローは…私がいなくなっても平気なの?」
ロー)「…平気じゃない…お前がいないのは嫌だが…お前の自由を奪いたくない」
「…私も、ローがいないのは…嫌…」
ロー)「…」
「でも…決着をつけてくるよ…」
ロー)「…」
アヤは頭を上げた
俺には後頭部しか見てなかったが…その顔はきっと…
「カカシをぶん殴ってくる」
決心した顔だろう
言葉に…声に少し力が入っていた
アヤの言葉に小さく笑った
ロー)「ふっ。それは見てみたいもんだな」
猫は小さく笑いながら首を傾げた
嚇母)“…決まり?”
「…うん…でも行くのはこの船がここを出港する時でいい?」
嚇母)“うん…それまでには僕達の世界でアヤを治す準備をしとくよ…どっちみち今すぐの話じゃないんだ…君の師匠が穢土転生されなくても、1度だけ、アヤを連れて行ける。数時間ももたないからすぐ帰る事になるけど”
数時間ももたないと言っても…カカシに会うのか…
「…ロー…」
そんな事を考えていたらアヤが俺を呼んだ