第90章 ☆ 次の旅路 ☆ ロー視点 ☆ ① ☆
アヤは少し体を起こして海に向かって声を上げた
少し呆気に取られたが
俺はなんとか声を振り絞った
ロー)「…そうだな。思いっきり殴ってやれ」
「大体私は巻き込まれただけで、カカシが好きなら勝手にやってろよ!私には関係ないじゃん!カカシのばーか!」
なんだかアヤがおかしく見えた
ロー)「ふっ…そうだな。巻き込まれ損だな」
「…ばーかばーか!」
今度は怒り出したがアヤはそれだけ言うとまた体から力を抜いて俺をもたれかかった
ロー)「…落ち着いたか?」
「…うん…だいぶ」
ロー)「…そうか」
「…疲れた…」
ロー)「だろうな…立てるか?」
泣き止んだから部屋に戻るのかと思った
「…まだ」
ロー)「あぁ?」
「…もう少しだけ…海が見たい」
…海を見て…アヤが落ち着けるなら…
ロー)「…そうだな。もう少しだけな。これ以上は体が冷える」
俺はまたアヤを暖めるように抱き締めた
「…ロー…」
アヤは不安そうな声で俺を呼んだ
ロー)「なんだ?」
「…怒らない…の?」
怒る?
ロー)「…怒って欲しいのか?」
「…私、よく分からなくて…」
ロー)「…何がだ?」
「…男と女の関係…」
ロー)「…」