第88章 ☆ その後 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
嚇母)“あ、クロガネ…アヤの封印された記憶だけど…アヤはその記憶の事を認識はしてるよ”
クロガネ)「なんじゃと」
嚇母)“昔に言われた事がある。『記憶にないのに、体がね、覚えてるんだ…私はいっぱい、大勢の人を殺してるんだろうね…その感覚が、この手に、体に残ってる…カカシを刺した記憶がないのに…カカシを刺した感触がこの手に残ってるの…カカシに聞いても何も答えてくれない…あいつ、野良猫に噛まれたとか言うんだよ?あの傷は絶対私が付けた傷なのに…なんなんだろうね…この感じ…イアンが関係してるのかな』って言ってたからね。僕は『覚えてないなら気のせいにしてあまり深く考えなくていいんじゃない?』って言ったんだ。そしたら『夢に見るんだ…その風景って言ったらいいのかな…雪の中、私は立ってる…周りが真っ赤で…私はその中に立ってるの』って言ってた”
クロガネ)「…そうか…そんな話を…」
ロー)「その封印された記憶ってのは上書きみたい物はしてないのか」
クロガネ)「記憶の上書きというか…アヤは任務で大怪我して1週間程眠ってた事になってるはずじゃ」
嚇母)“確かに、アヤの記憶ではそうなってる…だから余計に自分の記憶…過去に拘らなくなった…何が本当で、何が嘘か…アヤには分からなくなってるからね”
クロガネ)「…」
嚇母)“それにアヤ、言ってただろ?『自分の知らない記憶なんて他人の記憶と変わらない』って…”
ベポ)「あ、それ聞いた!」
嚇母)“それがあってのそのセリフだろうね…”
ロー)「…」
嚇母)“まぁ僕はアヤが悲しまなければそれでいいよ”
クロガネ)「…適当じゃのう」