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【呪術廻戦】運命の白い糸【五条悟】

第2章 邂逅編


混雑する前の布団置き場。その方向にふたりして顔を向け、そこに人が密集する前にと悟は立ち上がる。混む前にとっとと片付けを終わらせた方が良いだろうと悟は先に行動を始めた。その彼を一瞬見上げ、ハルカも畳んだ布団を重たそうに持ち上げて悟の後をついて行く。
幼児サイズの小さめな敷布団とタオルケット。それでも未就学児である子供には大きく、また筋力も発達中の幼いふたりには重く感じた。自然とがに股で左右に体を揺らしながら、早めに片付けを済ましに向かう悟とハルカ。悟が先に重ねられた他の子供の布団の上にばふっ、と布団を重ね、小さく「よし…」と呟いて一歩引いた所に悟に着いてきていたハルカも寝具を重ねる。
その背後にも少女達が並んでおり、悟が少しもたつくハルカの細腕を引いて退かした。
別に文句や大きな迷惑を掛けてはいない、邪魔だと少女達は先に並んでたふたりに批難の視線も言葉も掛けていたわけでもなく…。ハルカをその場から早く退けたかった、腕を引いて急がせた悟に理由があった。

いつもぶすくれたような、つまらなさそうだったり、笑っても生意気な表情を浮かべる悟。
髪色だとか関係なく、態度が偉そうだ、と少し他の子供を寄せない所がある。そんな彼にも切っては切れない、遠い親戚という関係に同じ年の子供……、悟にとってはそれが男であったら尚更良かったけれどもそれでもまあまあ遊べなくない少女が引っ越ししてきたのだ。
見極める為にも数度遊び、その遠い親戚とやらは自分を避ける事もしない……、やや落ち込みやすいのはその子の難点ではあるけれど、彼にとっての"友達"と呼べる初めて出来た存在がハルカだった。
ハルカ自身も以前住んでいた場所で馴染めず、こちらに引っ越してきて遠い親戚という事と、同じ髪色という共通点で、少々扱いにくい子であるものの、数度遊んでみて"楽しい"と思えるようになっている。

ふたりは口に出さずとも、互いを友達であると認識していた。
その友達と眠っていた時間以外は出来るだけ楽しく遊んでいたい。悟はハルカと早く遊びたくてウズウズしていた。顔に出さずとも動作はそわそわとし、飼い主を引っ張る犬のようにハルカの腕を引き、進みながらハルカを振り向く。
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