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【呪術廻戦】運命の白い糸【五条悟】

第2章 邂逅編


保育園での生活、最近は何して遊ぶのがブームなのかと悟の母はハルカや息子へと聞いて話は弾んでいた。体を洗い終えたら皆が湯船に浸かり、三人分のお湯がざばあ、とあふれる。きゃっきゃっとハルカはアヒルが流されないように気をつけて、勢いよく溢れたお湯が急には排水出来ない、その排水溝を見て誰の分が溢れた!などで盛り上がっていた。

しかし悟の母が話しかけるのを止めれば沈黙の空間になるもので。体を動かせばお湯の揺れる音、それから浴室内にこもった三人分の呼吸がよく聞こえる。
なんとなく息が詰まりそうな中でハルカは少しのぼせそうな頭で考えた。何か話題を探そう…そうして話をしやすそうなアイテムはお湯が揺れる度にふらふらと進行を変えていく黄色いアヒルに視線が止まった。
まだ少ししか時間を共にしていないのに、僅かにも愛着が湧いてきた。持ち主は悟だろうが、ハルカの手にはアヒルが捕まえられたり、突かれたりしている。

『(保育園ではぷりぷり怒るのに怒らないって事はそんなにお気に入りじゃないのかな…?)』

アヒルと悟を見比べてみて、疑問が湧き上がる。悟は別に怒っていないのは、ハルカだから許されている、というのはハルカは分からず…また悟は言うはずもない。

『ね、ねえ…このアヒルさんって名前あるの?』
「……あ?ツカモトだけど」
『ツカモト…?し、渋いね…』

元より話し上手じゃなかった、とそこで会話を諦めたハルカはアヒルをぼうっと眺めるしかない。
なんだかむずむずするような、遊ぶ時は目を見れるのに今だけは見れないような気分になっているハルカ。その視線が悟に向かない内に悟はハルカを凝視していた。

「(変に緊張したけど、いざ一緒に風呂入ってみるとそうでもないな…。つるつるだしケツは青いし…オトナじゃなくてコドモだからなのかもしれないけど)」

じっくりとは見ないようにはしたいけれど。自分との違いを確認する事や興味を隠せず、つま先からシャンプーして濡れた髪まで見てしまった悟。入浴剤を入れていてもライトグリーンじゃお湯に浸かっている体もよく見える。
……しかしどうしてか。髪色は悟と一緒なのにどうしてかハルカの髪が綺麗に見えてしまう。
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