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【呪術廻戦】運命の白い糸【五条悟】

第2章 邂逅編


少しムキになりかけて、チラ、とハルカを向く悟。
親子の喧嘩に少し不安そうな顔をしているが眠そうといえば確かに眠そうで、確かにひとりで風呂に入らせたら溺れてしまうかも、と思えば、悟は続ける言葉をぐっと飲み込む。
嫌ではない、ちょっと気になる。けれどもガツガツとハルカを知りに行くのは違う…と葛藤してる悟を見て、母はこれ以上息子は反論しないとハルカと共に悟の背を優しく浴室へと進ませている。

「あっ、かあさんっ!」

……でもまあ、本気で反論したらチャンスを逃す。一緒にお風呂に入るのは嫌じゃない。
結局脱衣所で服を脱ぐのを補助されながらも、ハルカと共に悟は浴室に素直に従って行った。

退屈しないようにと配慮をされたのだろう、普段は普通のお湯なのに今日は薄いグリーンの透明なお湯に仄かに森をイメージした香りが浴室に漂っている。小さな船の玩具や黄色いアヒルが一羽浴槽の縁に置かれていて、洗い場で悟の母は子供達の身体を洗っていく。
母自体が身体を洗う時に子供達は湯船に入って洗い終わるのを大人しく待つフリをしていた。フリ、というのは実際の様子は違うものだったから……。

椅子に座って髪を洗う(洗われる、が正しい)姿をじっと見ながら、風呂の縁に腰掛けて、時々隣の友達を見る。顔ではなく、普段服に隠れた場所。

「(へー…やっぱちんこ付いてねえんだな…)」
『(男の子だけどパパのとは違うんだ……ちんちんの形が違う…もじゃもじゃしてない…)』
「(かあさんみたいなおっぱいもついてねえし、俺と変わりねえじゃん)」
『(あっ、おしりのところ私と同じく青くなってる…!)』

互いに見られてるのにそれは打ち合わせでもしたかのような交互での観察だった。視線は合わず、段々とではあるが堂々と身体を見た。
年齢も年齢、幼いもの同士の外側じゃ知ることの出来ない情報収集。友達として、というよりも知的好奇心。始めて同世代の異性というものを知って、お互いにその好奇心が満たされた頃、同じ様にフーン…、とそれくらいの感想を持って。
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