第2章 邂逅編
『(悟君、しょっぱいのよく食べるな~…、ママが持ってきたの、私ばっか食べちゃってるけど良いのかなぁ……?美味しいからついつい食べ過ぎちゃうんだけど…)』
「ハルカ、」
じっと見すぎてしまった事に注意されるか?と僅かに肩を跳ねさせて悟の眼を見て応えるハルカ。別に悟は怒ってるわけではなく、トレイの上にゴミを乗せて指先のスナック菓子の粉を払っている。
「ん、オマエ、それ食ったら続きしようぜ」
『……ん、』
「……馬鹿、食い終わったら、だろ。焦んなくていいからゆっくり食えよ」
小さく笑いながらその最後の一口を少しペースを速めて咀嚼してるハルカを落ち着かせて…。
お菓子の食べすぎでお昼がちょっとしか入らないのはお互いに目に見えてる。この場に居ない、リビングで仕事と格闘中の悟の母も。
たくさんゲームし、お昼を食べてのんびりとし。悟の母の息抜きも兼ねてとふたりが始めて出会った公園まで散歩して、お家で漫画を見たり、テレビを着けた時にたまたまやっていた夕方のアニメを齧りつくようにふたりで見ていれば、朝からハルカが遊びに来ているというのにあっという間にもう夕食の時間となる。
スパイスの香りが漂えばメニューを聞かずともその夕食の献立をきっと当てられてしまうだろう。大抵の子供達の好物となる、カレーを悟の母が作り終えてふたりをご飯に呼び出した。
子供らしく人参が苦手な悟。それを良く知ってる彼の母はみじん切りして分からないようにしている(そもそもスプーンで避けられないから煮込まれたオレンジ色の正体を知りながらも悟は諦めて食べている)じゃがいもも玉ねぎも、ほとんどの野菜をそうやって加工していた。もちろん、子供達用に甘口で。