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【呪術廻戦】運命の白い糸【五条悟】

第2章 邂逅編


姉として友達がひとりも居なかった妹に友達が出来、こうも機嫌良くなる日が来るのは嬉しくもあるのに少し寂しい矛盾する心がある。この子の友達が居ない代わりに遊んであげたのは自分だったのに。

「ハルカ、明日悟君の家にお泊りなんでしょ?」

……しかし、妹はのんきだなあ、と姉は絵本のイラストをじっと眺めて内容なんて入っていない、上の空なハルカに言えばハルカはばたつく足を止め、ハミングも止めた。
ご機嫌な表情は姉を訝しむ表情へと変わっている。

『……お泊り…?』
「えっ?明日の朝預けられるってお泊りじゃん。用意とかしなくて良いの?寝る前だと眠くって色々と持っていくものとか忘れちゃうんじゃない?」
『……』

約束した明日遊ぶ事で頭がいっぱいだったハルカ。今になってようやく大人たちのやりとりを思い返す。
明日の朝から。そして自分の家族が明後日帰ってくる、という事はまるまる一日みたらい家に人が居ないという事。当然ながら四歳がひとりで家事など出来るはずもなく、それを見越しての五条家で預かるという話だった。
真顔になったハルカはだんだんと挙動がおかしくなっていく。片方を持っていた絵本を離せば姉だけに絵本の重量が掛かり、バランスを崩して姉の手からするりと逃げ出す絵本。それはソファーの表面を滑りソファー下にバサ、と落ちていった。
嬉しかった表情はあっという間に困った表情へ。ハルカは両手で頭を抱えて叫んだ。

『どうしよう!?』

いろんな感情が渦巻く。先程まで泊まりだと思っていなかった為、それを今更知った驚き。遊ぶ時間がたくさんあるという事、友達の家で夕方から先の時間も一緒に過ごせるという事……。
泊まりとなれば、ちょっとした駄菓子を持って遊びにいく、なんてものじゃない。彼女は身内以外の家での泊まり自体が初めてだった。何を用意すれば良いのかさえ、今は混乱して冷静にしていられない!
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