第2章 邂逅編
今日も保育園で悟と明日の休日に遊ぶ約束をしたハルカ。
遊ぶ予定を立て、家の都合でそのふたりで遊ぶという約束が果たされず小さな喧嘩をする、そんなのはもうしたくない…と、ふたりの親達が迎えに来る時にハルカは父親を見上げてそう許可を取ろうとした。
遊んでいる間に交わされた子供同士の約束ではあった。しかしながら以前のふたりの喧嘩はお互い家に帰った後での不都合の発覚が原因。みたらい家の都合が悪く、その時はどうしても翌日に悟とハルカは遊ぶ事が出来なかったのだ。
それから五条家に向かって断りを入れにいって事件というより喧嘩が起こった。ハルカの意思関係なく家の用事の為に、お互い楽しみにしていた事もありその時は両者悲しんではいたものの、"ごめんね"なんて言葉なくても自然と仲直りをしたふたり。
喧嘩はしたくない、大切な友達だから出来るだけ争いは避けたいもの。悟もあの時は少し大人げないと心の奥では思っていたが……。
だからこそ楽しみを引きずって後に後悔しないように、ハルカは父親の服を引っ張り懇願する表情で見上げる様子を、悟も母親のロングスカートの生地をぎゅっと掴みながら見守った。その腰下で見上げる小さな子達と、同僚の妻である悟の母からの期待の視線にハルカの父親は微笑む。
「はあ~……また約束事したのか、オマエ達は~…」
『ね?パパ、いいでしょ?』
仕方ない子供達だ、と言いたげにふう、とため息を吐くハルカの父。自身の服を掴む娘の頭を愛おしそうにひと撫でし、悟の母を彼は向く。
「オタクん家は大丈夫なんです?」
話を振られた悟の母。彼女はにこりと笑みを浮かべ小さく頷き、彼女もまた服を掴んでしがみつく悟の頭をハルカと同じようにひと撫でして見せた。視線は見上げるその青い双眼の我が子の方へ。
「ええ、うちは基本いつでも!悟もひとりっ子だし寂しいんでしょう、保育園に居る間だけじゃ、お友達のハルカちゃんと遊ぶ時間が足りないのね~」