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【呪術廻戦】運命の白い糸【五条悟】

第2章 邂逅編


悟の性格はどうあれ、彼はハルカと遊んでくれる。この先、ハルカ自身に彼以外の友達が出来るとも限らないしせっかくのその関係を崩したいとも思わない。
やけに嬉しそうな反応を見て、そんなに嬉しいものなのか?と疑問にも思った。シーソーを降り、おやつの時間が来ても、ずっと側で彼女を見ればその喜びは継続している。
いつもおどおどしているか、悟と話をする時に少々笑うような彼女の変化に、全体を常に見回し個性を知っている保育士が気付かないわけがない。
夕方に差し掛かる頃、迎えに来たハルカの母、そして悟の母が打ち合わせでもしたかのように一緒に来て、ふたり同時に(車は別として)保育園から帰る事となったのだが……子供二人に大人二人の前で保育士は一度ハルカを見て、彼女の肩にそっと手を置く。
そしてにこにこと朗らかな表情を浮かべて「今日、ハルカちゃんはにこにことしてとってもご機嫌だったんですよ~!」と子供達の保育園での様子を知らない、それぞれの母親に報告するものだから、悟とハルカは視線を合わせ、悟からその視線を反らすハルカ。報告と子供達のその反応を見て両者の母親達は察した。それはもう、「(何かあったわね…?)」と笑みをこぼして。

「あら、あらあらっ?ハルカ、どうしちゃったの~?」

ハルカの母が少ししゃがんで、いつも臆病な我が子の変化に嬉しくて寄り添えば、ハルカはにこ、と笑って母の手を握った。

『あ…あのね、明日ね、悟君のお家で遊ぼうって言われたのっ』
「あーらっ、そうなのー?」

話をしているのはみたらい家の母と娘のふたりである、が。その会話を近くで耳を大きくとまではいかずとも聞いてた、五条親子と報告をした保育士は普段内気なハルカが"嬉しい"と表現するようになった原因が悟であると知り、ハルカから悟へと視線を向けた。
その視線の的となっている悟は、胸の奥がむずむずとする原因になってる、隣の彼女のそのはにかむ笑顔を作り出したのが自分であると知り、顔に熱を灯して誰も居ない方向をわざと不機嫌そうな表情で睨む。

「「あらあらまあまあ!」」
「……チッ!」
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