第2章 邂逅編
その言葉はふたりはいつも公園で遊んでいる、という事。ふたりの母親繋がりで親同士が話している間、一緒になって家の近所で遊ぶのはいつもの事だった。
遊具で遊ぶのに特に男だとか女だとか性差のある遊びはなく、平等に遊べている。遊びの約束を取り付けたとはいえ悟は子供ながらに内心、男の家に女呼ぶのってイケナイ事に入るのかな…くらいには感じてる。
同年齢よりも少しだけマセている彼は誘ってから少しばかりやってしまったか、と内心の彼は頭を抱え後悔してる。みえみえな誘い方だった、と。
固唾を飲み、繰り返すシーソーの上下の動作。真っ直ぐに瞳を大きくして驚いたハルカを見ていればその表情はころころと変わる。最終的ににこ、と笑う彼女を見て彼は胸の奥で温かい何かを感じながら、決して悪い返事が来ないのだと確信している。
『じゃあ、明日は悟君ちで遊ぼっ』
その言葉にホッとした悟。心配していた彼とは別に彼女は悟が思っている以上にとにかく喜んでいた。
今まで髪色が変だ、よそ者だと差別を受けていた彼女に友達と呼べるものは居なかったのだ。引っ越した先、この地で初めて出来た、同じ年頃の友達が五条悟。
彼とは保育園でも一緒、そして母同士が呪術師の本家である五条家の法事に呼ばれて以来、その時に連絡先の交換をし何度かやりとりをして、近所となった今では毎日のように仲良くしている。父親同士も同じ職場で良い家族ぐるみでの付き合い。ハルカの二つ上の姉も家族との付き合いも五条家とも仲良くしているが、仲の良い悟とハルカを邪魔しないように、と自身は転校した小学校で早速作った友達と遊んでいる。
姉はハルカとは違い、特に髪色は日本中多く見られるブラウンからブラックといった、父親に似ていた事と性格上明るいって事もあり、人付き合いは大人顔負けに顔が広く……彼女いわく、「クラスメイト以外に隣のクラスにまた友人が出来た」とリアルに友達100人出来るかな?をやり遂げてしまいそうだ……。
話は戻り、そんなハルカであるからこそ、友達の家に遊びに行くという事が初めて。誰にでもあるその当たり前の権利を体験するには遅くない、四歳のハルカは嬉しく感じてる。