第6章 好機逸すべからず
そうと決まれば早速コナンくん達の通う帝丹小学校の場所をスマホで検索し、地図上で位置を確認する。
(年表ノートのことはとりあえず後回しだ)
「赤井さん、車はどうするんです?」
「昨日のベンツならいつでも借りられる、持ち主は今アメリカだからな。それとも今日はさんお勧めのハイブリッドの普通車でも借りるか?」
「…例えば、ですけど…普通の車でもジンのポルシェって追いかけられるんですか?」
「スピードの出せる高速道路なんかに乗られたらまず逃げられてしまうだろうな、あのポルシェは時速130マイルは難なく出る」
「……マイル…って」
「キロ換算だと…時速200キロ超か」
「うわ、それは…っていうか日本の道じゃまずそんなに出せないと思いますけど!?」
「…俺も少し前にそれくらいは出したぞ」
「えっっ!捕まりますよ!?」
「警察の車より俺の方が速ければまず捕まることはない」
「……やっぱこの世界っておかしい」(小声)
「何か言ったか?」
「いえ……あの…今日も、ベンツでいいです…」
また今日も念の為の着替えを用意し(ちなみに私の着替えは昨日買った綺麗なワンピース達だ!)出掛ける準備を整え家を出た。
昨日と同じ倉庫で車を乗り換えて、米花町に戻ってくる。下校時間を見計らって帝丹小学校の側へやって来た。
そして小学校の校門が見える位置に車を停めたけど……赤井さんは哀ちゃんに顔を見られないようサングラスにニット帽、私はコナンくんに気付かれないよう眼鏡(赤井さんに借りた)にキャップという何とも怪しげな出で立ち。
「私達、誘拐犯に見えませんかね…不審者っぽくないです?」
「怪しまれた場合は、あのボウヤの迎えだとでも言えばいいだろう」
「苦しい言い訳ですね…」
そうして待ち構えている事数分……子供達がパラパラと出て来て……しばらく待てばついにコナンくんも現れた。周りには哀ちゃんも少年探偵団もいる!
「あのボウヤだろう?…来たな…」
「はい…!…わぁ…か、可愛い…」
「今までどうも半信半疑だったが……どうやら本当のようだな、彼女の身体が縮んでいるというのは…」
「はい…」
私達のいる方とは反対方向へコナンくん達はテクテクと歩いていく。
だいぶ距離が離れたところで、赤井さんがギアを変え、車はゆっくりと動き出す。