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怪しい者ではありません【名探偵コナン】

第4章 思い出に浸る


出来上がった二人分の料理をテーブルに並べると、オムレツにベーコンにトーストだけの簡単な朝食とはいえ、テーブルの上が賑やかに見えて自然と気分が明るくなってきた。一人で食べるよりみんなと食べた方が美味しい気がするって、きっとこういうことだ。


「美味いもんだな…」

「私も我ながら美味しいと思います!誰かと食べるのってやっぱり違いますよねー…」

「そう思うならずっとここに居ればいいだろう」

「…なんか食事のこと考えると居たくなっちゃいますね」

「居てくれると俺も有り難い。家事は苦手だ…」

「うーん……」

「しかし今はそれより……何か知っている事はないか?宮野志保が逃げたことで、あの組織…特にジンなんかはこれから彼女を血眼になって探すと思うんだが」

「…そうだったと思います……志保ちゃんのご両親やお姉ちゃんと親しくしてた人の所にジンとかウォッカは行くはずです…」

「何処の誰の所だ?」

「うーんと……たしか大学の教授の家とか…絵を描くスタジオみたいな所もあったけど…場所まではちょっと……でも、そこにはあのコナンくんも向かいますから!連絡するように言っておきます!」

「ああ頼む」


きっとコナンくんは、哀ちゃんに出会ったら驚いて私に電話してくるだろうから、その時に聞けばいい。

でも…


「赤井さん…もしジン達を見つけたらどうするつもりですか?」

「決まっているだろう…尾行して、ヤツの根城を暴く。まあ上手くいく可能性は極めて低いだろうがな……ジンについては何か知らないのか?」

「ジンについては…あまり詳しくは描かれてないんですよね……っていうか赤井さんが尾行って危なくないですか!?」

「危ない仕事をするのが、俺の仕事だ」

「まあ…赤井さんが組織に捕まったりすることは私の知る限り無いんです…分かってはいるんですけどね…気を付けてくださいね…」

「心配には及ばん」

「…でもやっぱり心配です」

「……一緒に来るか?今日は明美の住んでいた家や実家のあった場所を張ろうと思っている…もし何か見覚えのある物や人がいたら教えて欲しいしな」

「私も行っていいんですか…?」

「行きたくないなら来なくていいが」


私が行って何か役に立てることなんてあるだろうか。

もしもジン達に遭遇してしまったら…?

でも赤井さんが一緒なら大丈夫…?
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