• テキストサイズ

怪しい者ではありません【名探偵コナン】

第3章 パンと卵とコーヒーさえあれば


ハムエッグトーストを作り、二人で食べる。

この家、鍋やフライパンもなければ食器類すらほぼなくてビックリした。トーストは、アルミホイルにパン(と具材)を乗せてオーブンレンジで焼いて、そのままそのホイルの上で食べるっていうスタイルらしい…

コップもグラスも無いから、缶コーヒーやペットボトルの水は直で飲む、と言う訳だ。

そういえば部屋の中にも最低限の家具しかないように見える。

男の人ってそういうもんなんだろうか…




「さんは今日はどうするんだ?」

「とりあえず泊まってたホテルに行って色々聞いてこようと思ってるのと…自分の買い物もだけど、このお家に必要なものを色々買ってこようかなって」

「ある物は使えばいいぞ」

「はい。でも無いものが多すぎます……お皿とかコップとか鍋も買ってきていいですか?」

「料理できるのか?」

「それなりですけどね…お世話になるからには作ります!…赤井さんは今日は?どこか行くんですか?」

「俺は少し寝るかな…昼頃からなら買い物も付き合うぞ」


…あの車で買い物に連れて行ってもらえたら、一度に全てを買って帰れそうだ…ぜひお願いしたい。


「じゃあ、お昼頃に一旦戻るようにします!買い物付き合ってください!」

「分かった」

「それからあの…」

「…ん?」

「シャワー、借りてもいいですか?」

「何でも好きに使え。君の家でもあるんだから」

「赤井さんの家ですよ…」


トーストを食べ終わり、空になったアルミホイルを畳んでゴミ箱に捨てる。食器もグラスも使ってないから、何も洗わなくていいのはたしかに合理的でラクだけど……


浴室へ向かえば、おそらく洗って畳んだものをただ置いてるんだろう、タオルが洗面台の横に数枚積まれていた。これも合理的と言えば合理的だけど…ちゃんとタオルを収納する場所も作りたいかも……


ただ、彼にとっても(私にとっても)ここは長く生活する場所ではないだろうから…やっぱり買い物は最低限のものだけにしておくべきか。




でも意外や意外、お風呂にはシャンプーにトリートメントまであって。髪を乾かすドライヤーもあった。一瞬女性の影が頭を過ぎったものの…そういや赤井さんが以前は長髪だったことを思い出し……きっと今も使うクセが付いてるんだろう、と勝手に納得、そしてなんとなく安堵している自分がいた。
/ 88ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp