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怪しい者ではありません【名探偵コナン】

第2章 心機一転、二転、三転!?


これまでは前を通り過ぎるだけだった居酒屋の暖簾をくぐり店内に入れば、店員の明るい挨拶に迎えてもらえる。一人であることを伝えてカウンターに座り、とりあえずビールを頼んだ。

店内には仕事終わりの会社員と思しき人達も数人いて、盛況な雰囲気。ココに来るのはもちろん初めてだけど、前からよく知ってたような気もする、そんな空気。

出てきたビールをゴクリと喉に流し込めば、冷たい液体が体中に染み渡るようだ。つまみも数品頼んで飲み進める。


美味しい。


楽しい。


うーん、ちょっと酔ってきたかも。













だけど気付いたら、私はもうその居酒屋にはいなかった。

見えるのは見慣れない部屋の天井、でもどこかで見たこともあるような……


「ん…どこ…ここ……」

「…起きたか」

「っえ…?えええっ!?赤井さんッ!?」

「飲むか?水だ…」

「は…はい……っ!?なんで!?」


部屋の隅には赤井さんがいて、こっちに寄ってくる。そして私は、服を着てない状態でベッドに寝てる。パンツは履いてるみたいだけど。どういうことだ……

身体を布団で隠して起き上がり、水の入ったペットボトルを恐る恐る受け取る。一気に半分程飲んで、お返しした……

室内をよくよく見れば、ここは先日赤井さんと二人で内見に来た部屋であることに気付く。つまり現在の彼の家だ。


「あ、あの……私、どうしてコチラにいるんでしょうか……」

「おい、まさか…記憶が無いのか?」

「えーっと……はい…ホテルの近くの居酒屋で、飲んでたと思うんですけど……ていうか今何時ですか?」

「深夜2時だ」

「えっ……」


大きな溜め息を吐いた彼が、何があったのか渋々と説明してくれる……


「俺に電話を掛けたのは覚えているか?」

「はい……昨日?の夕方、掛けましたね…」

「そうだ。後になって俺は掛け直したんだが、その時には君は居酒屋のカウンターで酔い潰れていたんだ」

「嘘でしょ…」

「嘘だと思うならその居酒屋の店主に聞いてみろ。俺が迎えに行けたから良かったものの……」

「やだ…信じられない…!…赤井さんがお迎えに!?すみません……ええ?でもなんで!?」
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