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怪しい者ではありません【名探偵コナン】

第2章 心機一転、二転、三転!?


駅前に行けば、どうも見覚えのある大きな車が真っ先に目に付いた。黒の、後ろに荷台のあるアメリカ車が道路脇に停まっている。

絶対赤井さんだと確信して近付いていけば、左ハンドルの運転席にはお馴染みのニット帽を被った赤井さんを確認。

向こうも気付いてくれたようで。顔がこちらを向いて目が合った瞬間、彼の目が一瞬驚いたように見開かれ、口元が弧を描いた。車に駆け寄って助手席に乗り込む。


「こんにちは!」

「ああ。俺だとよく分かったな。君はもしかして、この車のことも知っていたのか」

「はい、知ってました!でも実物は初めて見ました!大っきいですねー!カッコイイです!」

「…まあ、俺も気に入ってはいるが日本だとコイツは駐車場に困るな」

「たしかに大きいですよね…」


いずれ彼のこの車は、仕方なく手放すことになっちゃうことも知ってるけど…それは言わないでおいた。




提案されたのは赤井さんが人に勧められたらしいお蕎麦屋さん。蕎麦は久しぶりだからか、少々心が踊る。


「…何か良い事でもあったのか?」

「……そんな顔してました?」

「ああ」

「誰かと食事って、こっちに来てからなかったし、お蕎麦も久しぶりなので嬉しくって」

「それなら…たまには一緒にメシでも食うか」

「いいんですか!?」

「別に構わん」

「うわぁ…嬉しいです!友達ができたみたい!…ってすみません、赤井さんとお友達だなんておこがましいですね…」

「俺はさんは既に友人のようなものだと思っているが」

「っ!?ほんとにいいんですか…!」

「……君は随分謙虚な人間だな…それとも俺はそんなに恐ろしい登場人物だったのか?」

「いえ!そんなことは!ただ、滅多にお目にかかれないキャラと言いますか…とにかく赤井さんって、クールで有能ですっごい人なんです!」

「俺が…?」

「はい!」

「……読んでみたいものだな、その物語」

「もう25年以上続いてる超大作ですよー!1日じゃとても伝えきれません!」




赤井さんやコナンくん、彼らの為に有益な情報は提供したいと思う。でも全てを教えてしまったら、これからのこの世界が大きく変わってしまうような気がして……情報提供量はあえてある程度セーブしているのが現状……




しばらく移動し、おそらく米花町からだいぶ離れた地域で車は止まった。
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