第4章 地下鉄より地下の秘密のテニスコートへ

　ブレイトンがサーブをし、ボールを木手が打ち返します。


　木手が打ち返したボールを今度はカークが打ち返し、丸井がすかさず返しました。


　ブレイトンがロブを打ったところ、木手のスマッシュが決まり、理想のペアが先に一ポイントを取ります。


　駅員F「ポイント～、丸井・木手！」


　電車アナウンスのような口調で言った審判が笛を吹いた次に跡部がスイッチを入れたようです。電動列車が動き、コートの周りを走り出しました。


　「思ったよりスピードが出ていなくてホッとしただろい」


　「オレが先に打ちましょうか」


　「ああ、いいぜぃ、先に打っても」
　丸井は木手の後ろに並びます。


　木手は電動列車の荷台に向かってサーブをする要領でボールを打ちました。すると、荷台の中に入ります。


　「やるじゃん、キテレツ。んじゃ、オレも」
　木手に声を掛け、丸井も打つと、ボールは妙技綱渡りのように荷台の中に入っていきました。


　「フン」
　鼻で笑っていたカークに、


　「どう？　天才的？」
　と、丸井は言い、ニッと口の端を上げます。


　駅員F「丸井・木手～、荷台の中にボール二個！　次は君のサーブの番だね」
　審判がボールを木手に渡しました。


　「どうも」
　ボールを受け取り、審判が定位置についたのを見てから、木手はサーブを打ちます。