「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第4章 地下鉄より地下の秘密のテニスコートへ
「ああ、あの人はカークの仲間じゃねえよ」
「彼は黒部コーチの友人で、コーチの指示でオレたちのゲームクリアを阻止しに外国人のフリをしていただけです」
「黒部コーチの友人か。ずいぶん、外国人の芝居が上手いじゃねーの。あーん」
「・・・・・・」
木手は目を閉じ、
「ハハハハ・・・・・・」
丸井はとりあえず笑っていたのでした。
「黒部コーチの友人なら放っておいていいな。それでお前ら、何を立ち話していたんだ?」
「これから、彼らとテニスの勝負をするところです」
「けど、近くにテニスコートなんてないよな。それで困っていたんだ」
「なんだ、そんなことなら、オレ様に任せてついて来な。こっちだ」
理想のペアと、カークとブレイトンは子どもたちを警備員何人かと金座駅に残し、跡部について行きました。
跡部の案内で、理想のペアたちは関係者以外立ち入り禁止の看板より先のあまり人通りのない通路へ行き、さらに関係者以外立ち入り禁止の扉の前まで来ました。そこにも警備員が二人立っています。
「地下鉄にこんなところがあったなんてな」
「跡部財閥が管理している限り、絶対に入れない場所だ。今回だけはお前らを地下鉄より地下に案内してやる」
「どんなところなんだよ?」
丸井が聞くと、
「お前らの勝負にふさわしい場所だ」
と、跡部は片目を閉じ、人差し指を立てて答えました。