第4章 地下鉄より地下の秘密のテニスコートへ

　「おま･･････」
　丸井が何か言おうとすると、片手で制した木手です。


　「That's fine.（いいだろう）My name is Kirk.（オレの名前はカークだ）」
　茶髪の外国人男性はカークと名乗り、木手の方を見てニヤッとしていました。


　「Yep, what's inside is a tennis racket.（うんうん、中に入っているのはテニスラケットだね）Are you a tennis player?（君、テニスプレーヤー？）」
　可愛い顔をした青の髪の外国人男性が木手の荷物をドアノブみたいに叩きます。


　「I won't let you pickpocket me（スリはさせませんよ）」
　木手はさっと彼から離れました。


　「don't do that, don't do that.（そんなことしない、しない）Hey, you're a tennis player, right?（ねえ、テニスプレーヤーでしょう？）You there too（そこにいる君も）」
　と、丸井にも尋ねていた青の髪の外国人男性です。


　「Yes（はい）」
　丸井は英語で返事し、首を縦に振りました。