第4章 地下鉄より地下の秘密のテニスコートへ

　話を理想のペアと茶髪の外国人男性に戻し、理想のペアは変装したまま固まっています。茶髪の外国人男性は黒髪のカツラをかぶり、メガネをかけた少年すなわち丸井の方を睨んでいました。丸井はビクッとなります。


　「The kids are watching you disguise yourself.（お前らが変装しているのは子どもたちが見てるんだよ）He's also discussing something with another kid.（もう一人のガキと何か話し合っているのもな）」


　「バレバレだろい」
　英語を日本語で翻訳された文を携帯で見て、小さくため息をついていた丸井です。


　「Take off your wigs, cool people.（観念してカツラを取りなよ、カッコイイ人たち）」
　と、青い髪の外国人男性は何と、変装していた丸井と木手のカツラを取って投げ捨ててしまいました。


　丸井と木手は奥歯を噛み締めながら、外国人男性二人と対峙していたのでした。


　「Hey, you did a good job of running away that time.（おい、あのときはよくも逃げてくれたな）」
　と、茶髪の外国人男性が丸井に絡んで来ました。