「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第3章 金座駅までの誘惑とドギマギ
「You're thirsty, aren't you?(喉が渇きましたよね)Shall I buy it?(買っちゃう?)」
丸井が濡烏に英語で言い、彼と自動販売機へ行こうとすると、
「Wait.待ちなさい。オレ、水筒がありますから、麦茶を分けてあげますよぉ」
やはり阻止した木手で、自分の水筒の麦茶を分けようとしていました。
「え……」
木手から麦茶を分けてもらうのに少々抵抗があったか、丸井は木手と水筒と交互に見ます。丸井の気持ちを察した木手は、
「紙コップがあります」
と、言い、丸井に紙コップを渡しました。
「キテレツ、準備いいんだな」
紙コップを受け取った丸井が感心しています。
「水筒を忘れる部員がたまにいますからねぇ。なので一応紙コップも持って来ています」
「へえー」
「何ですか」
木手の方をじっと見ていた丸井に少年はメガネを片手で持ち上げ、訝しげにしていました。
「なーんでも」
丸井は後ろを向き、微笑していたのでした。
「麦茶をよそいますから、紙コップを差し出すか、貸してください」
木手の言葉を耳に、丸井は片手に持った紙コップを差し出しました。