「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第1章 プロローグ
「さっきもお菓子食べただろう、英二」
「ははっ、そうだったっけ」
丸井は青学の黄金ペアのやりとりに微笑し、水道場をあとにしました。
翌日、コーチたちが会議でサーキットトレーニングが早めに終わり、丸井は立海同士でカフェに行きます。幸村と仁王と柳生の四人でテーブルに座っていました。
幸村と仁王と柳生は苦いコーヒーを飲んでいるのに対し、丸井一人だけがオレンジジュースで、仲間たちは和やかに笑っていたのでした。
その後のことです。ドリンクとセットで付いてきたパンを丸井がパンを手に持ったまま口にしていなく、幸村を始めに珍しがります。
「丸井、食欲がないのかい?」
「そのパン、丸井の好きなものなり。口にせんとはのぅ」
「丸井くん、あなた、何か悩み事がありますね?」
柳生がメガネを光らせながら聞くと、丸井は驚いた表情をしたあと、持っていたパンをお皿の上に置きました。
「そんな大したことじゃねえよ。キテレツのことさ」
「木手がどうかしたのかい?」
「また裏切ったとか言わないのぅ?」
「この前の片付けのときと食事のとき、あなたたち、ぶつかっていましたね。それと関係がありますか?」