「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第1章 プロローグ
「ふぅー、走ったー」
丸井は汗びっしょりのシャツを着替えるため、ロッカールームに向かいました。そのついでにそこで休憩していこうかとも考えていたのでした。
ロッカールームに入ると、木手がちょうど着替えるところだったか、シャツを脱いでいました。上半身裸の木手に丸井は元々開いていた扉をつい閉めてしまったのです。
「あれ、ドア閉めることなかったよな」
と、丸井は気が付くと中学生仲間たちのところに戻って来ていました。
「丸井くん、どうしたのー?」
「そんなに息があがって、何があったんです?」
タオルで汗を拭いていた芥川滋郎と、人差し指で前髪を巻きながら聞いた観月はじめです。
「何でもねえよ」
丸井はそう言ったあと、水道のところに行き、水を飲みに行きました。
「丸井、お疲れ」
「今日のランニング、ハードだよねー」
青学の黄金(ゴールデン)ペアの大石秀一郎と菊丸英二が声を掛けます。
「ああ、地獄の坂みたいな場所あるよな。それがなければ、もうちょい楽なのにな」
水道水を飲んだあと、返事をした丸井です。
「解る。あそこはオレも嫌だな」
「早くトレーニング終わって美味しいもの食べて寝たいニャー」