「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第3章 金座駅までの誘惑とドギマギ
「問題はここからどう金座駅へ行くかです。乗り換えの線がさっぱりです」
濡烏に調べるよう視線で訴えていた木手でしたが、彼は首を傾げていました。
木手は濡烏に直接頼もうとも思っていたようですが、止めました。まだ丸井に彼の正体を知られていなかったからです。少年は渋々携帯を開こうとすると、
「なあ、駅員さんに聞いてみないか。その方が早えんじゃね」
と、丸井が提案します。
「そうですね。駅員の方を探しますか」
携帯をしまった木手は丸井と駅員のいそうなところを探し始めました。
「ふっ」
濡烏はニヤッとしたあと、理想のペアの後ろをついて行きます。
「あの切符売り場の近くの事務所みたいになっているところとかは?」
丸井が窓口を見つけました。
「行ってみますか」
「ああ」
窓口まで行った理想のペアは、その近くにいた駅員に声を掛けます。
「すみません、ここから金座駅までどう行ったらいいですか?」
と、尋ねた丸井です。
駅員A「月比谷線の中目白駅行きの電車一本に乗れば行けるよ」
「ありがとうございます」
木手がお礼を言い、丸井も頭を下げてからその場をあとにしました。