「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第3章 金座駅までの誘惑とドギマギ
「Yes, it's platform 5.(はい、五番ホームですから)」
と、言いました。
「そっか、上の電光掲示板の通りに進んで行った感じだと、あっちか」
丸井も歩く速度を上げ、階段を下りて行きます。木手も降りて行きました。
「え?」
濡烏はあれ?といった表情で理想のペアのあとをついて行きます。
そして、五番ホームの電車に乗車後、理想のペアは誤ったホームから電車に乗ってしまったことに気が付きました。
やがて電車は、少年たちを北万住駅の方まで運んで行ってしまったのでした。
北万住駅で降りた理想のペアは、歩いたり立ち止まったりしながら会話をします。後ろで濡烏も聞いています。
「オレたち、間違って五番ホームじゃねえとこに乗っちゃったんだな」
「そのようですねぇ」
「わりぃ、オレが電光掲示板を勘違いして見たから……」
丸井がすまながっていると、
「騙されたのはオレも一緒です」
と、木手が言いました。
「別に電光掲示板はオレたちを騙すつもりじゃなかったと思うけど」
「では、あなたのせいですね」
そう木手に言われ、
「はいはい」
苦笑し、風船ガムを膨らませていた丸井です。