「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第3章 金座駅までの誘惑とドギマギ
「小手町駅が合流しやすいみたいだよ」
「調べるの早いですね」
「よく言われます」
「小手町駅ですね。丸井くんに連絡しましょうか」
木手は丸井の番号にかけます。すると、ツーコールで丸井は出ました。
「もしもし」
「木手です」
「キテレツ、どこの駅に合流しようか決まったのか?」
「丸井くんは?」
木手が質問で返すと、
「わりぃ、オレの方は全然……」
と、丸井は答えづらそうに言ったのでした。
「だと思いましたよぉ。小手町駅へ行けますか?」
「分かった。小手町駅な。これから向かう。じゃあな。…ふー、電話ってこんな緊張するもんだったか」
丸井はすぐ電話を切ったあと、呼吸を落ち着かせていました。
「……」
木手の方は丸井に合流する駅の場所が伝わっったかどうか気にしていたようです。携帯を利き手に持ったまま固まっていました。
「木手くん?」
濡烏が木手の顔を覗き込むようにして見て尋ねると、少年は首を横に振ります。
「いいえ、何でもありません。小手町駅へ行きますよぉ」
と、木手は濡烏と小手町駅へ向かう電車の切符を買い、指定のホームまで階段を下り、電車に乗りました。