「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第3章 金座駅までの誘惑とドギマギ
「さっき丸井くんと電話してたとき、木手くん、無言になってたよな。彼が無事で良かったって思ってたんじゃないかい?」
「ゴーヤー食わせますよぉ」
と、濡烏にゴーヤーを見せた木手です。
「Oh no!(オーノー!)」
「あなた、日本人でしょう。英語はもう使わなくていいですよぉ」
ゴーヤーをしまった木手は携帯で調べることを続けていました。
「ふふ、木手くん、携帯の画面がグルメサイトになってるよ」
「あ……」
濡烏に言われ、地下鉄の駅の検索サイトと別のサイトを開いていた木手は画面を閉じます。
「丸井くんと行きたい店でもあった?」
ニヤニヤしていた濡烏に、
「あの、何をあなた勘違いしているのか分かりませんが、こじつけでおっしゃるのを止めてもらいたいのですが」
と、やれやれといった感じで返事をしていました。
「こじつけじゃないんだけどね。そうそう、丸井くんは今どこにいるって?」
「新色三丁目駅です」
「新色三丁目か。こっちが万川だから待ってね」
と、携帯ですぐ検索を始めた濡烏です。彼は地下鉄の駅のサイトにアクセスし、数分後に再び口を開きます。