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「新テニ」理想のペア、Exciting situation

第3章 金座駅までの誘惑とドギマギ



 「……丸井くんですか」


 「ああ。良かった、聞こえる。そっち、もしかして電波悪い?」
 木手の声がようやく聞こえ、丸井はホッとしたあと、そう尋ねます。


 「いいえ、すみませんねぇ」


 「キテレツ、外国人のお兄さんとまだ万川駅にいるか?」


 「はい、まだ万川駅にいます。丸井くんは?」


 「オレは何とかあの茶髪の外国人から逃げて、新色三丁目駅にいるよ。そこから電話掛けてる。なあ、どこで合流しようか?」


 「そうですねぇ、このあと調べてからかけ直します」


 「わかった。オレも携帯で調べる。じゃあ一旦切るぜ」
 丸井が終話ボタンを押すより先に木手が終話ボタンを押したようです。木手に先に電話を切られたため、丸井は複雑そうな表情で終話ボタンを押したのでした。


 万川駅から電話を掛けてい木手は小さくため息をついていました。


 「丸井くんともっと話したかったんじゃないの?」
 と、これまで外国人のフリをしていた濡烏醤(ぬれがらすひしお)が、木手にからかった調子で声掛けです。


 「……」
 木手は聞こえないフリをし、携帯で丸井と合流する駅をどこにしようか決めるため、調べていました。
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