• テキストサイズ

「新テニ」理想のペア、Exciting situation

第2章 芝谷駅で迷う外国人と幾つもの誘惑



 「ったく、早えって」
 ぼそっと言うと、丸井と木手が青年の方を向きました。ぎょっとなった彼は慌て、裏声になってしまいますが英語で話してごまかしました。


 「Huh yeah.The train is fast(はぁ、うん。電車速いですね)」


 「電車速いって言ったな」
 丸井が通訳アプリから青年の言っていた英語を理解していました。


 「I agree(そうですね)」
 と、木手は言い、窓の外を見ていたのでした。丸井も、


 「It's definitely fast(確かに速いですよね)」
 と、にっこり笑って言ったあと、窓の外の景色を眺めていました。


 青年はフーとため息をつき、つり革を握っていた手の力が弱くなります。けれども、電車の揺れで驚いた彼は再びつり革を強く握っていました。


 芝谷駅から三駅目に到着後、降りた客がいたため、座席が空きます。


 「「「Please(どうぞ)」」」
 と、三人は譲り合いっこしていましたが、丸井が結局座ります。


 「Thank you(ありがとう)」
 丸井は外国人のフリをした青年と木手の順に見てお礼を言いました。


 木手はそっぽを向き、青年はニコッと笑い、つり革に再びつかまります。
/ 151ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp