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「新テニ」理想のペア、Exciting situation

第2章 芝谷駅で迷う外国人と幾つもの誘惑



 ツー、ツーと、ビジートーンを耳に、丸井も電話を切ってから、木手と外国人のところに戻りました。


 「黒部コーチがさ、預かったお金を使っていいってさ」


 「そうですか」


 「んじゃ、すぐ切符買ってくるだろい」


 「……」


 「何だよ、木手」
 切符を買いに行くときに木手がじいっと丸井を見ていたためか、視線に気付いた丸井が少し動揺しながらまた戻って来ます。


 「いいえ」


 「まーったく、オレがいなくなるわけじゃあるまいし。すーぐ戻って来るって」
 丸井は軽い調子で言ったあと、真面目な表情で今の木手の様子について考え事をしながら、切符販売機に向かって歩いていました。


 「はい」
 と、返事をした木手の方の考えは、こうしている間にも丸井が切符以外のものを買わないかどうかでした。同時に丸井のことをじっと見過ぎていたことに気づき、メガネの縁を片手で持ち上げ、目を閉じていました。


 一方、外国人男性は、丸井と木手を交互に見て、何かを思いついたような表情でニヤリとしていたのでした。


 丸井が切符を買って戻って来たあと、こうして理想のペアは外国人男性と共に行動することになりました。
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