「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第2章 芝谷駅で迷う外国人と幾つもの誘惑
「湫袋駅までなら、オレたちも行くよな。そうだ、その人もオレたちと一緒に来ればいいじゃん」
「オレはかまいませんが、黒部コーチのゲームに彼も付き合うようなかたちとなってしまいますが」
「そっかぁ。けど、仕方ないんじゃね。えっと、英語、英語…」
丸井は外国人男性に話す英語を携帯で調べます。
「何か日本語を打って、一マス空けて『英語』と打って検索すると、日本語が英語に翻訳された状態で出てきますよ。このように」
木手が丸井に携帯の画面を見せました。丸井は感嘆の声をあげます。
「おお、本当だ。どうりでキテレツ、英語が話せたわけだ。縮地法のごとく検索していたのか。参考にオレもっと」
丸井は風船ガムを膨らませながら、検索をしました。
「検索出ましたか?」
「ああ、もちろんだぜ。We are also going to Kudebukuro Station.(オレたちも湫袋駅へ行くところです)If you don't mind, would you like to come with us to the Kudebukuro station?(もし良かったら湫袋駅までオレたちと一緒に行きませんか?)」
と、丸井が英語で話し、外国人男性に聞くと、彼はイエスと嬉しそうに頷いていたのでした。