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「新テニ」理想のペア、Exciting situation

第2章 芝谷駅で迷う外国人と幾つもの誘惑



 芝谷駅に到着し、電車から降りたあとも、丸井と木手は気まずい雰囲気でいました。


 木手に声を掛けようとしていた丸井でしたが、先ほどの出来事のせいか声が出せません。


 木手の方もそうで、丸井に話し掛けようにも声が上手く出せず咳払いをしていました。


 丸井は先ほどのことで木手を怒らせたかもしれないと思ったようです。前を歩いていた木手より少し後ろに離れて歩いていました。


 「よぉ、丸井ブン太、木手永四郞」
 沈黙のまま、丸井と木手が駅の階段を登り切った先に跡部が立っていました。少年は片手にテニスボールを持っています。


 「跡部」


 「氷帝のアナタでしたか」


 「オレがなぜ、ここにいるのか分かっているな?」


 「ああ、もちろんだ。黒部コーチのゲーム関係だろい」


 「そうだ。指定された駅まで電車に乗って、オレみたいに駅で待ってる奴からボールを受け取って次の駅へ行くんだよな。あーん。ボールを五個集めるとか」
 と、跡部は丸井にボールを渡しました。


 「サンキュー。一個目のボール、やりぃ!」
 丸井はボールを上に掲げ、木手に勝ち誇ったような顔をしていたのでした。


 「?」
 木手の方は首を傾げていました。
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