「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第6章 (最終話)エピローグ
「キテレツ、笑ってねえし」
丸井が黒部コーチの撮った携帯の写真を見て苦笑します。
「もういいでしょう」
木手は肩を抱いたままだった丸井の手を振り払い、先にモニタールームから出て行ってしまいました。
「ちょっと待てよー。失礼しました」
と、言い、木手を追いかけて行った丸井です。
理想のペアの声がしなくなってから、黒部コーチはつぶやき始めます。
「丸井くんはもう大丈夫ですが、今度は木手くんが丸井くんにぎこちなさを感じ始めていますね。しかし、彼は感情をコントロール出来る方ですから心配は要らないでしょう」
夕飯の時間になり、U-17合宿所参加者全員、食堂に集まっていました。
食堂で丸井はいつものスイーツコーナーでトングを使用し、ケーキをたくさん取っています。
「ケーキ取り過ぎっしょう」
「ブン太、おかずも食え」
「いいんだよ。野菜の栄養分も含まれているケーキだってあるんだから」
と、丸井は切原とジャッカルのツッコミを省みず、多くのケーキをお盆の上に乗せていました。
空いているテーブルまで運ぼうとしたとき、何と丸井は誰かとぶつかってしまいます。木手です。
丸井が取って来たケーキが床に落ちそうになったところ、木手がさっと拾いました。