「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第6章 (最終話)エピローグ
「さて、あなたたちがここに来たのは何か相談ですか?」
椅子を引き、座って尋ねた黒部コーチです。
「いいえ、この前のゲームのとき、濡烏さんと途中まで一緒にいましたが、湫袋駅に向かう途中で分かれました」
丸井は立ったまま答え、
「彼は外国人のフリをし、オレたちをゲームオーバーさせるために来たあなたの友人でしたね。彼はカークと言う本当の外国人と地下鉄で寄りたいところがあると言って、電車を降りて行きました」
木手も隣で立ったままそう答えました。
「それを黒部コーチに伝えといてくれって濡烏さんが言っていたのを忘れてしまって、伝えるの遅くなってしまったんですけど」
丸井は片手を後ろにやり、すまなそうにします。
「そのことなら、全く気にする必要がありません。濡烏くんが世話になりましたね。ゲーム中での報告は彼から受けていますよ。木手くんは彼が外国人でない日本人だって、ゲームの途中から気が付いたようですね」
「丸井くんも途中から気が付いていましたよぉ」
「そうでしたか。濡烏くんからの伝言をわざわざ、ありがとうございます。あのあと、彼から携帯に写真が送られて来ました」