「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第6章 (最終話)エピローグ
「いいですよぉ。打って行きますか」
「っしゃあ、じゃ、お先」
着替え終わった丸井は風船ガムを膨らませ、ロッカールームから出て行きました。
「・・・・・・」
丸井が行ったあと、木手は緊張が解けますが、着替えたばかりのTシャツが汗びっしょりになったため、また着替え直していたのでした。
コーチたちの会議があり、サーキットトレーニングが早めの終了となり、丸井と木手は六番コートで打ち合っていました。
「妙技綱渡り!」
「あなたのネット際の細かいプレーには、目を見張るものがありますよぉ」
「天才的だろい」
「ですが、隙だらけです」
木手の飯匙倩(ハブ)が決まります。
「また失敗か」
このとき、ワンダーキャッスルがまだ未完成だった丸井は、木手の飯匙倩を防ぐことが出来ず、悔しがっていました。
「ヤイビーミ?」
「え?」
丸井が聞き返すと、
「今日はもう終わりにしますか?」
ヤイビーミの意味を伝えた木手です。
「いいや、まだ打つぜい」
「また明日にしませんか?」
「そっかぁ。そろそろあがった方がいいか」
日が暮れてきたのが分かった丸井は、荷物の中からハンドタオルを出し、汗を拭いていました。