「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第6章 (最終話)エピローグ
「いんや~、何でも?」
さらにニヤッとしていた甲斐です。
「まだ永四郎と丸井の会話、でーじ見たかったよ~」
と、平古場が言いました。少年も甲斐と同じくさらにニヤッとさせています。
「やっさ!」
知念も同じくさらにニヤッとさせながら首を強く縦に振っていました。
「あなたと話しているときの丸井くん、いつもと違って見えます。普段ではあの良い笑顔、なかなか見られません」
「あの良い笑顔って、オレにはいつもの彼に見えましたが」
「また、あなたもそうですね」
「オレが?」
「おや、気が付いていませんでしたか。平古場くんたちは気付いているようですよ。アデュー。プリッ」
柳生は何と仁王のイリュージョンでした。
仁王が行ってから、まだニヤッと笑っていた平古場たちを背に、木手は目をパチクリさせていました。
翌日のことです。木手が早朝、宿舎の廊下を歩いていると、丸井とばったり会います。
「よっ、キテレツ、おはよう」
「珍しく早いですね」
と、言いながら泊まり部屋に戻ってしまった木手です。同じ部屋に泊まっていた甲斐、平古場、知念、田仁志の四人はまだ寝ていました。