「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第6章 (最終話)エピローグ
「オレも行くか。ブン太、また後でな」
ジャッカルは片手をあげ、切原と白石のあとを追って行きました。
「おう」
丸井も片手をあげ、ジャッカルの背中姿が見えなくなるまで見送ったあと、筋トレの続きを行います。
筋トレをひと通り終えたあと、丸井はラケットを持って移動しました。すると、木手と行き会います。
「あ」
「おや」
「お前もこっち?」
と、丸井が聞いたとき、木手は返事をせず、素振りを始めていました。丸井も木手と離れたところで素振りを始めます。
丸井と木手の次のサーキットトレーニングは素振り左右三百回でした。それを終えるまで、二人の会話はありませんでした。
ようやく素振り左右三百回を終え、辺りは薄暗くなっていました。柘植コーチが「今日はここまでだ」と言った怒鳴り声が気にならなくなるくらい、丸井と木手は立ったまま息があがっていたのでした。
「今日もサーキットトレーニングだけで一日が終わっちまったな」
木手が水道場に行ったところが見えたか、丸井も行って蛇口ハンドルの上に手を置き、木手に話し掛けました。
「明日も朝が早そうですよぉ」
と、木手は水を飲んでから言葉を返します。