「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第5章 湫袋駅行き電車内での誘惑
「そうでしょうね。ですが、それもここまでです」
「お前が言うとダークヒーローのセリフに聞こえてくるぜ。さーて、次の電車に乗って湫袋駅に行こうか」
理想のペアは切符を買い直し、名珈谷駅から再び湫袋駅行きの電車に乗りました。
今度の電車は誘惑も何もなく、無事に少年たちを湫袋駅まで運んで行ったのでした。
湫袋駅到着後、理想のペアはやっとここまで来られたとホッとしながらエスカレーターに乗っていました。
そして、改札口を抜けた先に待っていた中学生は幸村精市だったのです。
「幸村くん!」
幸村の姿を見つけた丸井は嬉しそうに少年の元へ早歩きしました。木手はゆっくり来ます。
「オレのところに来たってことは、ボールはもう四個かい?」
「四個あるぜぃ」
幸村に返事をした丸井は木手とボールを見せました。
「確かに四個あるね。丸井、木手、コンプリートおめでとう」
幸村がボールを理想のペアに差し出します。丸井は木手の方を振り返って頷き、木手が幸村からボールを受け取りました。
「よっしゃあ、コンプリート!」
「これで黒部コーチのゲームはクリアですね」