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「新テニ」理想のペア、Exciting situation

第5章 湫袋駅行き電車内での誘惑



 「えっと・・・」
 目をパチクリさせていた丸井に男子高生は微笑し、


 「喉が渇いてるって話が聞こえたから。僕のこれ、自販機で買ったばかりのお茶だけど、どうぞ」
 と、勧めます。


 「・・・・・・」



 「・・・・・・」

 丸井と木手は考えたあと、ナチュラルマッシュの男子高生を相手にせずに座席から立ち上がりました。現在乗っている電車から降りることに決め、理想のペアは名珈谷駅で降ります。


 「キテレツ」
 風船ガムを膨らませてから丸井は木手に声を掛けました。


 「はい」
 と、返事をした木手は丸井の次の言葉を待ちます。


 「今さっきのことと、子どもの外国人を探していたときとか、やたら誘惑多くなかったか?」


 「あなた、気付いていながら、引っ掛かりそうになっていませんでしたか・・・・・・」


 「まあな。さすがにガムのときは本当にアブなかったけどな。自分が持って来ていたガムに助けられた・・・じゃねえな。サンキュー、キテレツ」
 ニコッと丸井が木手に感謝すると、木手は一度そっぽを向きました。その後、丸井の方へ向き直ります。


 「誘惑してきた高校生たちは黒部コーチに指示されて来た人たちでしょうねぇ」


 「濡烏さんみたいにオレたちをゲームオーバーさせに来たか」
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