「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第5章 湫袋駅行き電車内での誘惑
「黒部コーチのゲームはよろしいのですか」
「本当ならもう自由なんだからいいんじゃね」
丸井が片手で木手に発言ストップをかけました。
「悪いな、急に。地下鉄で寄りたいところが出来た。彼らはオレがブレイトンたちのところまでちゃんと帰すからさ。さらに面倒をかけてすまないが、黒部にそう伝えといてもらっていいかな」
「分かりました。合宿所に帰ってコーチに会ったら伝えておきますよ」
「君たちをゲームオーバーさせるために来たオレが言うのも全然あれだけど、君たちのゲームクリアを願っているよ。じゃあな、理想のペア」
濡烏は丸井と木手に手を振り、カークと子どもの外国人と本高三丁目駅で降りて行ったのでした。
カークは降りるときに丸井を見て名残惜しそうにしていましたが、濡烏に呼ばれ、子どもの外国人の手を引いて行ってしまいます。
「丸井くん、カークと言う彼に何も言わなくて良かったのですか? 彼は丸井くんに何か言って欲しかったのでは?」
「だから、なぜカーク限定・・・・・・。さっ、湫袋駅だろい」
一瞬寂しそうな表情していた丸井ですが、すぐ黒部コーチのゲームに気持ちを切り替えます。