「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第1章 プロローグ
「では明日、頑張ってください。最終目的の駅までなかなか着かないかもしれませんから、お気を付けて。もう大丈夫ですよ」
グッドサインを出し、丸井を帰したのでした。
首を傾げながら丸井がモニタールームの外に出ると、廊下の壁に寄りかかり、両腕を組んで立っていた木手がいました。
「明日は負けねえ」
丸井が言ったあと、木手は丸井の目の前まで移動し、
「せいぜい誘惑に負けないことを願いますよぉ」
と、意味深長な言葉を残し、丸井の横をすり抜け、行ってしまいます。
「はぁ」
黒部コーチといい、木手といい、どうしたと丸井は目をパチクリとさせていました。
こうして、翌日の午後、理想のペアのゲームが開始されるのでした。