「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第5章 湫袋駅行き電車内での誘惑
「・・・・・・」
隣からキラキラのオーラを放っていた丸井に木手は呆れ顔になります。
「お前、ガム好きか?」
「はい、いつも噛んでます」
ベージュのハーフアップした男子高生の問いに明るい声で答えた丸井でした。
「ガム、うめーよな。オレが今持ってるのはコーラ味のガムだ」
「コーラ、良いっすね」
「他にもあるぜ」
と、男子高生は荷物の中身を理想のペアに見せます。
中身は、ミント味のガムやサイダー味のガム、グレープ味のガムやマスカット味やオレンジ味のガムです。さらに、丸井の好きなグリーンアップル味のガムまで入っていました。
「随分とガムをたくさん持っていますねぇ」
木手が怪しんでいたようですが、
「うー、食いてー」
丸井はグリーンアップル味のガムに手が伸びそうになっています。
「一つ持って行ってもいいけど」
男子高生は丸井が好きかもしれないガムの味を察したようです。グリーンアップル味のガムを荷物の中から取り出し、丸井にあげようとしていました。
「いいんですか」
喜んだ表情で丸井がベージュのハーフアップした男子高生からガムを受け取ろうとすると、